【11月2日 AFP】イタリア北西部で行われた新型コロナウイルスワクチン接種などに関するデジタル証明書「グリーンパス」に反対するデモで、参加者がナチス・ドイツ(Nazi)の強制収容所の囚人服を思わせる服装をしていたことに対し、政治家やユダヤ人団体から非難の声が上がっている。

 デモは10月30日、北西部ノバーラ(Novara)で行われたもので、参加者は第2次世界大戦(World War II)にナチスの強制収容所に入れられた人々が着せられた縦じまの服を模したものを着用していた。

 一部には、収容者が入れ墨された番号を連想させる数字が書かれていた。デモ参加者は「独裁政治」や政府による「脅迫」と書かれたプラカードを掲げていた。

 イタリアのユダヤ人コミュニティー連合(UCEI)の代表、ノエミ・ディセニ(Noemi Di Segni)氏は、1日付の地元紙スタンパ(La Stampa)で、「このような光景を見るとは思ってもいなかった」とし、参加者は危険なほど愚かで無知だと非難した。

 デモを「容認できない侮辱」とし、表現の自由だと擁護する声を一蹴した。

 ロベルト・スペランツァ(Roberto Speranza)保健相は「強制収容所のような服装の人を見て衝撃を受けた」と述べた。

 極右政党・同盟(League)に所属するノバーラ市長アレッサンドロ・カネリ(Alessandro Canelli)氏も、デモの服装を非難。「ワクチンやグリーンパスに関するイデオロギー上の立場を、歴史上最も悲惨な出来事により国外追放され、辱められ、拷問され、殺された人々と比べるということは、全く恥ずべきことだ」

 同氏は「議論がある事柄について自らの立場を表明するのに最悪の方法を選んだ」と付け加えた。(c)AFP