【11月2日 AFP】新型コロナウイルスワクチン接種を全職員に義務付けた米ニューヨーク市で、病欠を申請する消防職員が急増している。市の関係者は接種義務に抗議するものだと指摘する一方、すべての消防署が通常通り機能していると述べた。

 ニューヨーク市は全職員約37万8000人に1日までのワクチン接種を義務付け、済ませていない場合、無給の休職扱いとなる可能性がある。陰性証明書の提示で代えることはできないが、健康上や宗教上の理由での適用除外は認められる。

 ビル・デブラシオ(Bill de Blasio)市長は、約9000人が無給の休職扱いとなり、1万2000人が接種義務免除を申請していると発表した。

 ただし、市の関係者によると、消防職員1万7000人のうち約2300人が「抜け穴」として病欠を申請している。

 ダニエル・ナイグロ(Daniel Nigro)消防総監は記者会見で「接種義務が発表されてから病欠が急増した。義務への抗議に関連したもので間違いないと認識している」と語った。

「医務室を訪れる職員の数は1日平均200人だが、この1週間は700人に上り、ほとんどがワクチン未接種者だった」と明かし、「到底容認できない」と述べた。

 人員不足の消防署もあるが、閉鎖された署はない。ナイグロ氏は「病気ではない職員が病欠をやめれば、人員不足はすぐに解消する」と語った。

 消防職員のワクチン接種率は、10月19日の60%から増加し31日には80%になったが、教員の96%、警察官の84%と比べると低い。

 デブラシオ氏は「どの公共サービスにも混乱は見られない」としている。(c)AFP