【11月3日 CGTN Japanese】中国では10月30日、2021年下半期の小中学校教師資格筆記試験が行われました。同試験の出願人数が過去最多になるなど、中国では「教師熱」がヒートアップし続けています。  

 中国教育部のデータによりますと、2020年末現在、中国全国で教師資格を取得した人数は3693万人に達しました。教師資格試験の出願人数は近年、増え続けています。全国における出願者は2016年が260万人、2017年には410万人、2019年には900万人と、増加し続けています。今年も多くの地方で、出願者数が増加しました。中国中部の河南省の場合、下半期試験の出願者数は全国各省(直轄市・自治区)の中で最多の56万600人でした。また、下半期試験における出願者数は、上半期試験と比べて約19%増加しました。  

「教師熱」がヒートアップを続けている原因について、中国教育研究院の儲朝暉(Chu Chaohui)研究員は「近年は大学卒業生の数が増えつつあり、2021年には909万人に達した。就職のための競争が厳しい状況にあって教師資格の取得は、進路を一つ増やせることを意味する」と分析しました。  

 それ以外にも、中国では教師の収入が増えつつあり、政府事業セクターの正規雇用採用枠が確保されていることも、「教師熱」の原因とみられています。  

 華図教育教師研究院の専門家である張暁静(Zhang Xiaojing)氏は、「中国はここ数年間、教師の職に就くハードルを高めている。学校以外の場で教育に従事する場合も教師資格が必要になったことが、資格試験の受験熱につながる」との見方を示しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News