【10月31日 AFP】スーダンで30日、軍事クーデターに抗議する大規模デモが行われ、現地の医師団体によると参加者3人が治安部隊に殺害された。国際社会は軍に自制を強く求めている。

 スーダン医師中央委員会(Central Committee of Sudan Doctors)は、首都ハルツームの姉妹都市オムドゥルマン(Omdurman)で「クーデターを起こした軍事評議会によってデモ参加者2人が殺害された」とツイッター(Twitter)に投稿した。頭部と腹部を撃たれたという。その後、さらに1人が同じくオムドゥルマンで治安部隊に射殺されたとしている。

 医師中央委員会によれば、ハルツームとオムドゥルマンではデモ隊に対して実弾が使用された。負傷者は30日だけで100人を超え、催涙ガスのため呼吸困難に陥った人もいるという。25日に起きたクーデターに対する抗議デモの死者は、合わせて12人となった。

 スーダン内務省は、30日のデモ鎮圧に実弾が使用されたとの情報を否定し、死者数も「不正確」だと主張。「デモ隊が(中略)警察や重要拠点を襲撃したため、警察が催涙ガスを使った」と説明した。

 デモは全土で行われ、数万人が参加した。ハルツームでは国旗を掲げた人々が「軍の統治はいらない」と声を上げた。

 軍は25日、民政移管を率いていた暫定政府の首相や閣僚を拘束して暫定政府の解散を発表、非常事態を宣言した。国際社会はクーデターを批判し、民政への即時復帰を強く求めている。(c)AFP