【10月29日 AFP】南米コロンビア北東部ティブ(Tibu)で28日、コカ栽培農家に拘束されていた兵士180人全員が解放された。政府の人権オンブズマンが発表した。イバン・ドゥケ(Ivan Duque)大統領が兵士の解放を要請していた。

 兵士は26日、麻薬撲滅作戦でベネズエラとの国境付近のコカ農園を破壊していたところを捕まった。

 作戦の指揮を執ったオマル・セプルベダ(Omar Sepulveda)将軍は報道陣に対し、作戦に反対する農民によって指揮下の6小隊が「拉致された」と話した。農民はコカの違法栽培で生計を立てている。

 同将軍によると、棒やマチェーテ(なた)で武装した農民が兵士を包囲。兵士は人里離れた学校に連れて行かれ、拘束された。

 仲介役を務めたオンブズマンは、農民は28日、兵士を「一方的に」解放し「軍の任務の邪魔をしない」ことを決めたと説明した。

 AFP記者も、農民が学校から引き上げるのを目撃した。

 軍がAFPに見せた動画には、ライフルを携えた迷彩服姿の兵士の集団が一か所に集められ、それを農民が監視している様子が映っていた。

 ドゥケ大統領は28日の解放前、兵士は「無事で、武器を持っている」とした上で、「彼らは対立を避けたかった。そのプロ意識を評価する」と述べた。

「ジュニア(Junior)」と名乗るコカ農家の代表者はWラジオ(W Radio)に対し、政府はコカインの原料となるコカの代わりとなる合法的な農作物の栽培を支援すると言っていたが、約束は守られていないと訴えた。(c)AFP