【10月29日 AFP】(更新)インターネット交流サイト(SNS)最大手、米フェイスブック(Facebook)のマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)最高経営責任者(CEO)は28日、同社の社名を「メタ(Meta)」に変更すると発表した。SNSの枠を超えた未来を表す名前だとしている。

 フェイスブックは現在、元社員のフランシス・ハウゲン(Frances Haugen)氏の内部告発により、同社史上最大級の危機に直面している。ハウゲン氏が公表した内部文書からは、同社の上層部が自社サイトの有害性について把握していたとの疑惑が浮上。米国内では同社に対する規制を求める声が高まっている。

 フェイスブックとしては、インターネット上の仮想現実空間「メタバース」に将来性を見いだし、事業の軸足を移そうとしている。今月には、メタバース構築に向け欧州連合(EU)域内で1万人を雇用する計画を発表。ザッカーバーグ氏はメタバース推進派の旗振り役となった。

 毎年恒例の開発者会議で社名変更を発表したザッカーバーグ氏は「私たちは社会問題への対処に奮闘し、閉鎖型プラットフォームの下で生きてきた経験から多くのことを学んだ。そして今、学んだすべてのことを活用して次の段階に進む時が来た」と語った。

 社名変更後も、同社が運営するフェイスブックやインスタグラム(Instagram)、ワッツアップ(WhatsApp)といったサービスの名称は変わらない。先週、社名変更計画が報じられた際には、最近のスキャンダルや同社をめぐる論争から世間の目をそらすことが狙いなのではないかとの批判が出ていた。(c)AFP