【10月31日 AFP】英ケンブリッジ大学(Cambridge University)のジーザス・カレッジ(Jesus College)は27日、アフリカの旧英植民地から19世紀に略奪された精巧なおんどりの青銅彫刻を、ナイジェリア当局に返還した。

 この青銅像は、現在のナイジェリア南部にかつて存在したベニン王国(Kingdom of Benin)を1897年に英国軍が報復攻撃した際、遠征部隊が略奪した数百点の神聖な彫刻像の一つ。これらの青銅彫刻は「ベニン・ブロンズ(Benin Bronzes)」の名で知られ、欧米の多くの博物館や研究機関がコレクションとして保有している。

 ベニン・ブロンズを返還した英国の機関はジーザス・カレッジが初めて。同カレッジは、大英博物館(British Museum)など他の機関にも同様の対応をとるよう迫っている。

 ジーザス・カレッジは1905年、当時在学していた学生の父親からおんどり像を譲り受けた。だが、近年は学生の間で返還運動が展開されていた。

 ベニン・ブロンズの最大のコレクションを保有する大英博物館は、青銅彫刻の返還に同意していない。(c)AFP