【10月30日 CNS】購入して箱を開けるまで何が入っているか分からない「盲盒(ブラインドボックス、Blind Box)」が中国の若者の心をとらえ、人気が続いている。参入企業が増えてフィギュア人形を中心に種類やデザインが豊富となり、若者にワクワク感を与えている。

 日本の福袋やガチャガチャに発想が似ていることから「日本発祥」と言われているブラインドボックスは、数年前から中国で爆発的人気となっている。中国のeコマースプラットフォームの淘宝(タオバオ、Taobao)が2020年に発表した「年間最優秀商品リストトップ10」では、ブラインドボックス市場は2024年に265億元(約4733億円)に達し、ユーザーは2600万人に達すると予測している。

 業界関係者は「ブラインドボックスの愛好者は、フィギュア人形などのグッズを求めているというより、レア物や隠れキャラをゲットできるかもしれないというワクワク感や、それを手に入れた時の幸福感を求めている」と指摘。公開情報によると、ブラインドボックス業界リーダーのポップマート(Pop Mart)の隠れキャラを獲得する確率は、720分の1という低さ。最悪の場合、1回50元(約892円)で720個のブラインドボックスを購入しないと手に入らず、総費用は3万6000元(約64万2956円)となる計算だ。こうした状態が続けばブラインドボックス市場はいずれ冷え込む可能性がある。

 そこで現在、ブラインドボックス企業が力を入れているのが知的財産(IP)の開発だ。ポップマートのほか52toys、IPステーション、酷楽潮玩、盲盒星球、潮玩家(Chao Club)、着魔(Zhao Mo)、千島などの企業が人気のバラエティー番組やイベントとのタイアップ、少数民族の文化や中国の歴史的文化財を取り入れたグッズ開発などに取り組んでいる。中国の美術館や博物館も企業と組んで積極的にオリジナル商品の販売に励んでいる。(c)CNS/JCM/AFPBB News