【10月27日 AFP】サッカー豪Aリーグのアデレード・ユナイテッド(Adelaide United)でプレーするジョシュ・カバッロ(Josh Cavallo)が26日、同性愛者であることを公表した。同リーグの現役選手がカミングアウトするのは初となる。

 オーストラリアの20歳以下の代表にも選ばれたことのある21歳のカバッロは、自身のSNSで「僕はサッカー選手で、そしてゲイだ」と明かし、所属クラブとリーグ、豪サッカー連盟(Football Australia)も公表を支持するコメントを寄せた。

 カバッロは、自身の性的特徴をこれ以上は隠していたくないと話し、「自分の望みはサッカーをプレーし、同等に扱われることだけだ」と訴えると、「自分の能力の限界を発揮し、同時にこの二重生活を送ろうとするのはとても消耗することで、他の人には同じ経験をしてほしくない」と続けた。

 世界中で絶大な人気を誇るサッカーだが、同性愛を公表する男子選手はほとんどおらず、公表したとしても、観客からやじを浴びないようにと引退後に明かす人が大半を占めている。

 現役選手としては、英国のジャスティン・ファシャヌ(Justin Fashanu)氏が1990年に初めてカミングアウトしたが、サッカー界からは受け入れられず、1998年に自殺した。

 カバッロは、カミングアウトすべきかを考える中で、ファシャヌ氏の件は頭にあったと話し、「ジャスティン・ファシャヌについて読んだときのことを覚えている。彼は1990年代に男子のプロ選手では初めてカミングアウトし、8年後に自ら命を絶った。そのことはもちろん気にかかっていた」と明かした。

 それでも、クラブとチームメート、関係者から「多大」なサポートを受けたというカバッロは、同性愛の男子サッカー選手にとっての前向きな先例になりたいと話している。

「ゲイであってもサッカーをプレーして構わない。苦しみ、おびえている他のみんなにそのことを示したい」 (c)AFP