【10月27日 AFP】サッカードイツ・ブンデスリーガ1部、バイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)のヨシュア・キミッヒ(Joshua Kimmich)が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチンを接種しない意向を示したことが、ドイツ国内で激しい議論を呼んでいる。

 ドイツ代表でもある26歳のキミッヒは、27日にボルシア・メンヘングラッドバッハ(Borussia Moenchengladbach)とのドイツカップ(German Cup 2021-22)2回戦を控えているが、現在は新型コロナのワクチンを接種しないという決断がピッチ外で注目を集め、政府関係者までもが意見する事態になっている。

 昨年には「We Kick Corona」というコロナ対策の慈善活動も立ち上げたキミッヒだが、前週23日にワクチンは打たないことに決めたと明かし、「コロナ否定派でも、ワクチン反対派でもない」が「個人的な不安」を理由に決断したと話した。

 この姿勢に対して、独政府のシュテフェン・ザイベルト(Steffen Seibert)報道官は、「欧州連合(EU)が承認しているワクチンについて、手に入る情報をすべて検討してほしい」と呼びかけ、「無数の人間が尊敬する」バイエルンのスター選手という手本として、キミッヒにはワクチンを接種してほしいと促した。

 ブンデス1部で、キミッヒのようにワクチン接種を拒否する選手は少数派とみられ、ドイツサッカーリーグ機構(DFL)のクリスチャン・サイファート(Christian Seifert)最高経営責任者(CEO)は、ブンデスリーガでプレーする選手の約94パーセントがワクチンを打ったと話している。

 ドイツ全体では約8300万人の人口のうち66パーセントが接種を完了しているが、国内では現在感染の第4波が訪れていて、26日の新規感染者数の報告は1万人に達した。

 キミッヒはいずれワクチンを打つかもしれないと話しているが、チームメートのトーマス・ミュラー(Thomas Mueller)は、いずれではなくすぐに打ってほしいと考えている。

 ミュラーは「友人としては、間違いなく受け入れられる決断だ」としながらも、「チームメートとして、全体のためになることにも少し目を向けた場合、おそらくワクチンは打った方がいいというのが自分の意見だ」とコメントした。(c)AFP/Ryland JAMES