【10月27日 AFP】米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は26日、台湾の国連(UN)専門機関などへの参加を支持するよう各国に呼び掛ける声明を発表した。

 ブリンケン氏は、国連総会(UN General Assembly)が台湾を追放し中国の代表権を認めた決議から50年を迎えた節目に出した声明で、民主主義の下で経済発展を遂げた台湾が国際舞台からますます排除されているのは遺憾だと述べた。「国際社会がかつてないほど複雑でグローバルな問題に直面する今、すべての関係者が問題解決に貢献することが重要だ。これには台湾に住む2400万人も含まれる」と述べた。

 さらに「台湾の国連システムへの意味ある参加は、政治問題ではなく実務的な問題だ」とし、台湾の国連専門機関などへの参加を支持するようすべての国連加盟国に呼び掛けた。

 ブリンケン氏は、国際民間航空機関(ICAO)や世界保健機関(WHO)関連の会議から台湾が排除される一方、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)では台湾が早期介入によって被害を大きく抑え「世界トップレベル」の対応を称賛されていることや、年間数千万人が台湾の空港を利用していることを指摘。

「台湾は民主主義の成功事例となっている」とし、「わが国をはじめとする多くの国連加盟国が、台湾を大切なパートナーで信頼できる友人とみなしている」と述べた。

 ただしブリンケン氏は、米国が国家承認しているのは中国だけである点を強調した。

 台湾外交部(外務省に相当)は「わが国の国連専門機関の活動、機構、会議への意味ある参加をあなたが支持したことは、グローバルな問題への対応で成功を収める鍵となる」として、ブリンケン氏の声明を歓迎した。(c)AFP/Shaun TANDON