【10月25日 AFP】香港税関長に就任した何珮珊(Louise Ho)氏は21日、オーストラリア産ロブスターの中国本土への密輸が国家安全保障上の脅威となっているとし、取り締まりを強化すると表明した。

 中国は豪州との関係が悪化して以降、同国からの輸入を制限しており、ロブスターも対象となっている。

 しかし、豪州産ロブスターは中国本土で珍重され、人気のごちそうとなっている。

 香港には規制がないため、豪州産ロブスターの輸入が急増。その大半は中国本土に持ち込まれているとみられる。

 女性で初めて税関長となった何氏は21日の就任記者会見で、国家安全保障上の観点から豪州産ロブスターの取り締まりを優先的に行うと述べた。

「表面的にはロブスターの密輸という単純な話だが、密輸はオーストラリアに対するわれわれの輸入制限措置を弱体化させる」と語った。

「ロブスターの密輸阻止は国家安全保障上の重要事項であり、鋭意実行していく考えだ」

 香港と中国当局は今月半ば、54万ドル(約6000万円)相当の豪州産ロブスター5300キロを押収、13人を逮捕した。

 米ブルームバーグ(Bloomberg)は今年6月、豪州産ロブスターの世界最大の輸入国・地域として香港が首位になったと伝えていた。(c)AFP