【10月24日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領が立ち上げたメディアベンチャーのトランプ・メディア&テクノロジー・グループ(TMTG)との合併を発表しているデジタル・ワールド・アクイジション・コープ(Digital World Acquisition Corp)の株価が22日、米ナスダック(Nasdaq)市場で急騰し、21日に続いて2日連続で売買が一時停止となる事態となった。依然として強いトランプ氏の影響力を示すとともに、株式市場の投機的な傾向の強さも示された。

 デジタル・ワールドの22日の終値は94ドル20セントで、前日の2倍以上、ベンチャー立ち上げ発表前の20日の株価からは9倍以上に跳ね上がった。

 ティッカーシンボル「DWAC」で取引されているデジタル・ワールドは、非上場企業の買収のみを目的に設立された特別買収目的会社(SPAC)。9月の新規株式公開(IPO)で2億9300万ドル(約332億円)を集めた。

 TMTGとデジタル・ワールドは合同で発表したプレスリリースで、来年初めに全米に向けて独自のソーシャルネットワーキングサービス「トゥルース・ソーシャル(TRUTH Social)」を発表する予定だと明らかにしている。

 両社は、トゥルース・ソーシャルが「リベラルなメディア共同体の競合となり、一方的な力を使って米国内の反対の声を抑圧してきたシリコンバレー(Silicon Valley)の『ビッグテック(大手IT企業)』と闘う存在」になるとしている。

 専門家はデジタル・ワールドの株価急騰について、米ゲームソフト小売り大手ゲームストップ(GameStop)やいわゆる「ミーム銘柄」の株価急騰騒動のような、ビジネスの基本からは外れた価格の推移を思わせると指摘した。(c)AFP/Daniel HOFFMAN, John BIERS