【10月23日 AFP】国連(UN)の気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)を目前に控え、世界最大の産油国サウジアラビアの事実上の最高権力者であるムハンマド・ビン・サルマン(Mohammed bin Salman)皇太子は23日、2060年までに温暖化ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指すと表明した。

 ムハンマド皇太子は「サウジ・グリーン・イニシアチブ(SGI)」のフォーラムで声明を発表し、「サウジアラビアはサーキュラーエコノミー(循環型経済)の取り組みを通じ、2060年までに排出量の実質ゼロ実現を目指す」と述べた。

 また、2030年まで排出量を毎年2億7800万トン削減する取り組みを立ち上げるとしたほか、世界のメタンガス排出量の削減にも協力するとした。

 アブドルアジズ・ビン・サルマン(Abdulaziz bin Salman)エネルギー相は、2060年までの目標は「経済的・社会的な影響なく、なめらかで実現性のある移行」をもたらすと述べた。

 サウジアラビアの排出量をめぐっては、国営石油会社サウジ・アラムコ(Saudi Aramco)が投資家からの批判に直面している。

 米通信社ブルームバーグ・ニュース(Bloomberg News)は今年1月、同社が多くの製油所や石油プラントでの排出を総排出量に含めていなかったと報道。これらの施設での排出量も含めた場合、追加でポルトガルの年間排出量に匹敵する年間5500万トンの二酸化炭素(CO2)が上乗せされる。(c)AFP/Rania Sanjar