【10月22日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は21日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前米大統領を信奉している共和党支持者について、白人至上主義と投票者の抑圧という「深いブラックホール」に捕らわれていると非難した。

 バイデン氏は、首都ワシントンの国立公園ナショナルモール(National Mall)にある、公民権運動の指導者マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr.)牧師の記念碑建立10年の記念式典で演説。バイデン氏はトランプ氏を無視することが多く、今回のように直接矛先を向けるのは異例だ。

 バイデン氏は、知事から選挙管理委員会の職員に至るまで各州の共和党関係者は来年の中間選挙と2024年の大統領選を前に、自由な選挙で投票する権利に対する「執拗(しつよう)な攻撃」を仕掛けていると指摘。こうした動きは「非米国的」であり、「前大統領の信奉者は深いブラックホールに落ち込んでいる」と糾弾した。

 トランプ氏は、昨年の大統領選で不正があったと根拠のない主張を繰り返している。バイデン氏はトランプ氏の主張を否定しているが、世論調査によれば共和党支持者の多くは不正があったと考えている。

 バイデン氏は演説で、キング牧師が1968年に暗殺されるまで闘っていた白人至上主義は消え去ったわけではなく「隠れているだけだ」と語った。その上で、今年1月6日にトランプ氏の支持者が連邦議会議事堂に乱入した事件の背景にも白人至上主義があったと指摘。「偏見をあおった大統領がいたことは残念だが、何が問題なのかがはっきりしたのは良いことだ」と述べた。(c)AFP