【10月21日 AFP】先月19日から火山噴火が続くスペイン領カナリア諸島(Canary Islands)のラパルマ(La Palma)島で、真っ赤に燃える溶岩流の間に取り残された犬4匹を、ドローンで救出するという前例のない計画が進められている。

 痩せ細った犬たちは、トドケ(Todoque)村にある二つの空の貯水槽の中で、何週間も身動きが取れなくなっている。貯水槽の両脇には、クンブレビエハ(Cumbre Vieja)火山からあふれ出た溶岩が流れている。

 地元の動物保護団体「Leales.org」が今月初旬、犬たちの窮状に気付いて警鐘を鳴らし、ドローン企業2社を手配して餌と水を貯水槽に投下した。犬たちはすっかり体重が減ってしまっているという。

 この団体は、スペインの産業用ドローン企業「Aerocamaras」に協力を仰ぎ、貨物輸送用の大型ドローンで犬を安全な場所まで運べないか相談した。

 Leales.orgのアレハンドロ・モリナ(Alejandro Molina)氏によると、犬たちの元へたどり着くには灼熱(しゃくねつ)の溶岩の上を通らなければならないため、徒歩での救出は不可能だ。ヘリコプターで現地まで行くことも、火山灰や火山ガスにより回転翼に損傷を与える恐れがありできないという。

 Aerocamarasのチームは地元当局から犬の救出作戦を実行する許可を得て、18日に現地入りした。ハイメ・ペレイラ(Jaime Pereira)最高経営責任者(CEO)によれば、大きな網を取り付けた重量50キロのドローン1機を飛ばし、犬を1匹ずつ捕獲して安全な場所に移動させる計画だ。

 ただ、「生きた動物をドローンで輸送した経験は、われわれにもないし、誰にもない」と民放テレビ局テレシンコ(Telecinco)に語っている。救出作戦の実行日はまだ決まっていない。(c)AFP