【10月18日 AFP】中国は18日、同国が8月に極超音速ミサイルを発射したとする報道を否定し、行ったのは宇宙船の再使用技術の実験だったと説明した。

 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は16日、中国が8月に核弾頭を搭載可能な極超音速ミサイルの発射実験を行い、ミサイルは低空で地球を周回した後に地上に向かって降下し、標的からわずかに外れて着弾したと報じていた。

 同紙は、極超音速ミサイルは長征(Long March)ロケットで打ち上げられ、この実験に関しては未公表だったとする情報筋の話も伝えていた。

 だが中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は18日、この報道は不正確であり、実験は宇宙船の打ち上げ費用削減につながる再使用技術を試すためのものだったと主張した。

 趙氏は「私が把握している限り、この試験は宇宙船の定期実験であり、再使用可能な宇宙船技術を試すためのものだった」と説明。この技術で「人類が宇宙を平和利用できるよう、便利で安価な方法を提供できる可能性がある」と述べた。

 極超音速技術は、中国に加え、米国とロシア、さらに少なくとも5か国が開発を進めている。極超音速ミサイルは、弾道ミサイルと同様に核弾頭の搭載が可能である上、音速の5倍以上の速さで飛行できる。

 米議会調査局(US Congressional Research Service)が最近まとめた報告書によると、中国は極超音速技術の開発を積極的に進めている。

 FTは、極超音速兵器における中国の技術向上は「米国の情報当局を驚かせた」と報じていた。(c)AFP