【10月18日 AFP】英国のウィリアム王子(Prince William)が創設した環境賞「アースショット賞(Earthshot Prize)」の第1回授賞式が17日、ロンドンで行われ、コスタリカ、イタリア・ミラノ(Milan)市、バハマの団体、インドの企業、タイとドイツとイタリアの合同チームが受賞した。

 同賞は気候変動と地球温暖化の問題に関する取り組みを表彰するもので、5分野の受賞者には賞金各100万ポンド(約1億6000万円)が授与された。

 ウィリアム王子は、今月末に英スコットランドで開幕する国連(UN)気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に向け、この賞が気候変動対策を促進する一助となることを希望すると述べ、最終選考に残った候補は「イノベーター(革新者)であり指導者で、先見の明を持っている」と評した。

 コスタリカは「自然の保護と回復」分野で受賞し、森林保護、植林、生態系回復の取り組みを評価された。

 インドの企業Takacharは、「大気の浄化」分野で受賞。農業廃棄物を肥料にする持ち運び可能な小型機械を開発し、農家が廃棄物の焼却によって大気汚染の原因を生まずに済む方法を考え出した。

 式典はテレビで放送され、英俳優のエマ・ワトソン(Emma Watson)さんや英博物学者デービッド・アッテンボロー(David Attenborough)さんらが出席した他、ロックバンド「コールドプレイ(Coldplay)」やシンガー・ソングライターのエド・シーラン(Ed Sheeran)さんらがパフォーマンスを行った。

 授賞式に先立ち、ケンジントン宮殿(Kensington Palace)はショートフィルムを公開。撮影場所に選ばれた大型観覧車「ロンドンアイ(London Eye)」の中で、ウィリアム王子は「私たちが今後10年間に行動を起こすか起こさないかで、次の1000年の地球の運命が決まる」と警鐘を鳴らした。

 英王室は世界の指導者に対し、気候変動への取り組みが不十分だと批判している。

 ウィリアム王子は先週行われたBBCとのインタビューで、宇宙旅行に熱を上げる富裕層に対し、地球の問題をないがしろにしていると批判の矛先を向けた。

 チャールズ皇太子(Prince Charles)は、各国首脳が「口先だけ」で行動を起こさないことを懸念していると言明。エリザベス女王(Queen Elizabeth II)も、気候変動問題について「口だけで何もしない」世界の首脳に対する不満をこぼしている。(c)AFP