【10月16日 AFP】ケニアで少なくとも10人の子どもを殺害した疑いで逮捕された後に警察署から脱走した「血に飢えた吸血鬼」とされる男が15日、村人たちにリンチ(私刑)を受けて死亡した。当局が明らかにした。

 マステン・ミリモ・ワンジャラ(Masten Milimo Wanjala)容疑者(20)は7月14日、子ども2人の失踪事件に関与した疑いで逮捕された。その後、5年間に少なくとも10人の子どもを殺害したと認めた。捜査当局によると、殺害前に被害者の血管から血を吸うこともあったとされる。

 容疑者は13日に首都ナイロビの裁判所に出廷予定だったが、朝の点呼の際にいなくなっていた。

 容疑者は15日、脱走した警察署から400キロ以上離れたブンゴマ(Bungoma)にある自宅で近隣の子どもたちに見つかり、村人に捕らえられた。

 地域の行政官のボンフェイス・ヌディエマ(Bonface Ndiema)氏は、「彼は地元出身なので、子どもたちが見分けることができた。情報が広まると住民たちが彼を追いかけ始めた」と説明。「最終的に近所の家に逃げ込んだが、連れ出されてリンチを受けた」と述べた。

 警察はAFPに対し、リンチされた男の身元を特定するため科学捜査を開始したと明らかにし、「現時点で確かなのは、逃走していたマステン・ワンジャラ容疑者だと地元住民が言っている男が、ブンゴマでリンチを受けて死亡したということだ」と述べた。(c)AFP