【10月14日 CNS】緑豊かな山々と森林に囲まれ、ショウガの名産地として有名な中国・安徽省(Anhui)銅陵市(Tongling)にある佘家大院村で、28歳の女性起業家、胡婷婷(Hu Tingting)さんは毎日、職人と共に白ショウガの加工や包装、出荷作業に取り組んでいる。

 銅陵市の白ショウガは「中華の白姜」と称される高品質で、北宋時代には宮廷に献上されていた。独自の栽培・加工技術を持ち、安徽省の無形文化遺産に指定されている。

 胡さんは「ショウガは天日干しをすると白みが増して歯応えがよくなるので、毎朝日の出とともに2~3時間干しています。ショウガは茶葉のように臭いを吸収するので、包丁などは使わずに手で裂いています」と説明する。

 胡さんはもともと大学でデザインを専攻していたが、故郷で昔ながらの方法で白ショウガを栽培する人が少なくなったことを知り、2018年に仕事を辞めて故郷に戻った。そして両親のもとで白ショウガの栽培法を学び、若きショウガ農家に転身した。「夫と2人で心構えができているつもりでしたが、畑仕事は苦労の連続でした」

 従来のやり方で白ショウガを出荷するだけでは価格が低く、かつ不安定だった。胡さんは「銅陵白ショウガ」のブランドをアピールするパッケージをデザインし、インターネットを通じて販売を始めた。

 胡さんは「白ショウガビジネスは多くの可能性を秘めています。最近はショウガ入りの米酒を開発しました。ショウガのお茶やアロマも間もなく販売します」と目を輝かせる。白ショウガの加工工場では多い時は20人以上の村人が働き、年間売上高は150万元(約2637万円)を超えている。胡さんは今後、販売する地元の農産物をさらに増やし、多くの若者が地域おこしに参加することを目指している。(c)CNS/JCM/AFPBB News