【10月23日 AFP】トルコで今月、海中博物館がオープンし、同国西岸沖でダイビングをすると巨大な戦艦群を見学できる。第1次世界大戦(World War I)中の「ガリポリの戦い(Battle of Gallipoli)」で沈没した軍艦だ。

「展示」されているのは、英国海軍(Royal Navy)の軍艦「マジェスティック(HMS Majestic)」をはじめ14隻。ガリポリ半島は古代から戦場になることが多く、沖合は艦船の墓場になっている。

 半島の横を地中海からロシア側に延びるダーダネルス(Dardanelles)海峡をめぐり、最後の大規模な戦闘となった1915年のガリポリの戦いでは、英仏軍は多大な犠牲者を出して退却した。

 最終的には連合軍が勝利したが、この戦いで同軍側に多くの犠牲者が出たことは、現代のトルコ、オーストラリア、ニュージーランドの国民意識の形成につながった。

 オーストラリア・ニュージーランド軍も連合軍に加わっており、上陸作戦が開始された4月25日は両国では戦争記念の日になっている。

 建国100周年を2023年に控えたトルコは、その史跡を世界中のダイバーに公開。一番乗りで見学した一人、ダイバーでドキュメンタリー制作者のサバシュ・カラカス(Savas Karakas)氏は「1915年と第1次大戦に戻れるタイムマシンのようだ」と語る。

 水中カメラマンのエテム・ケスキン(Ethem Keskin)氏は、水深数メートルから80メートルの所に沈んでいる戦艦を眺めるのは「私たちが過去を忘れないための良い機会になる」として、「こうした戦艦が沈没したときのことを思うと、戦争の威力を感じるだろう」と話した。(c)AFP/Fulya OZERKAN