【10月11日 AFP】ニュージーランド政府は11日、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、医療保健サービスと教育分野で働く人を対象にワクチン接種を義務付ける「ノー・ワクチン、ノー・ジョブ」政策を発表した。

 クリス・ヒプキンス(Chris Hipkins)新型コロナウイルス対応相兼教育相は、「何事も運に任せることはできない。それが義務化の理由だ」と述べた。

 医師や看護師をはじめ医療の最前線で働くスタッフは、12月1日までに2回の接種を完了しなければならない。また、児童・生徒と接する教育関係者は全員、来年1月1日までに2回目の接種を終える必要がある。

 ニュージーランド家庭医学会(RNZCGP)は、ワクチン接種義務化への支持を表明。サマンサ・マートン(Samantha Murton)会長は、「大胆だが必要な呼び掛けだ」と述べた。

 中等学校には、生徒の接種状況を記録することが義務付けられる。家庭教師や、学校でボランティアをする保護者も接種義務化の対象に含まれる。一方、大学など高等教育機関も対象になるかはまだ決まっていない。

 ヒプキンス氏は、「ワクチン接種は感染・発症を予防する最も強力で効果的な手段だ」と語った。

 ニュージーランドは新型コロナウイルス根絶を目指す政策で国土の大半を流行から守ってきたが、最大都市オークランド(Auckland)で8月に発生した市中感染では感染力の強い変異株「デルタ株」を抑え込めず、「コロナゼロ」戦略の断念に追い込まれた。

 ジャシンダ・アーダーン(Jacinda Ardern)首相は4日、「デルタ株」が局面を一変させる「ゲームチェンジャー」となり、ウイルス根絶ができなくなったことが確認されたと述べていた。(c)AFP