【10月9日 AFP】南シナ海(South China Sea)で衝突事故を起こして損傷した米原子力潜水艦が8日、グアム(Guam)に到着した。米政府関係者が明らかにした。

 米海軍は7日、シーウルフ(Seawolf)級攻撃型原子力潜水艦「コネティカット(USS Connecticut)」が2日午後、「インド太平洋地域の公海上」を潜航中に何らかの物体に衝突したと発表していた。

 同関係者は、衝突が起きたのは南シナ海としたが、それ以上は衝突時の潜航深度も含めて明かさなかった。

 乗組員11人が負傷し、うち2人は中程度の傷だった。原因究明のため、調査が行われる。

 米海軍は、南シナ海の小島や砂州の領有権を主張する中国をけん制するため、同海域を定期的に航行している。

 中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は8日、中国は今回の衝突事故を「非常に憂慮している」として、米国は事故の詳細を意図的に隠蔽(いんぺい)していると非難。原潜が何に衝突したのか、放射性物質漏れがあったのか、現地の海洋環境にダメージを与えたのかといった情報を含め、米政府は事故に関する「詳細な説明」をするべきだと述べた。

 さらに、米国は「航行の自由を掲げて」長年にわたり南シナ海の「平和を乱している」と非難した。(c)AFP