【10月9日 AFP】ロシアで、毒性の強いメタノールが入った密造酒を飲んだ17人が死亡した。当局が8日、発表した。刑事事件として捜査が行われている。

 同国では、酒の代用となる安価な製品を飲んで死亡する人が後を絶たず、当局は問題解決の必要性に言及してきた。

 事件は、首都モスクワの南東約1500キロ、ウラル(Ural)山脈の南部に位置するオレンブルク(Orenburg)州で発生。さらに16人が中毒症状を呈している。

 検査の結果、被害者はメタノール入りの酒を飲んだことが明らかになった。飲用に適した酒類に含まれているエタノールとは異なり、メタノールは毒性が強く、少量を口にしただけでも失明の恐れがある。

 当局によると、同州オルスク(Orsk)市内で問題の酒の配送元となっていた施設が見つかり、密造酒1200本以上が押収された。

 ロシアの貧困地域では、蒸留酒やアルコールを含む日用品が消費されることは珍しくなく、アルコールが絡む死亡事故が多発する要因とされている。こうした飲料を消費する人の多くは、社会の最底辺にいる人々だ。

 同国で重大事件を扱う連邦捜査委員会(Investigative Committee)のオレンブルク州捜査局は8日、今回の事件を受けて、安全基準を満たしていない製品の販売などの疑いで、5件の捜査を開始したと明かした。

 事件に関連し、3人が拘束された。捜査当局の発表によると、このうちオルスク在住の29歳の男には、違法酒製造の嫌疑がかけられている。(c)AFP