ノーベル平和賞、ジャーナリストのレッサ氏とムラトフ氏に
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【10月8日 AFP】(更新)ノルウェーのノーベル賞委員会(Norwegian Nobel Committee)は8日、2021年のノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)を、フィリピンとロシアの著名ジャーナリスト、マリア・レッサ(Maria Ressa)氏(58)とドミトリー・ムラトフ(Dmitry Muratov)氏(59)に授与すると発表した。授賞理由には、両氏の表現の自由を守る努力を挙げた。
ベーリット・レイスアンデルセン(Berit Reiss-Andersen)ノーベル賞委員長は、「民主主義と恒久平和の前提となる表現の自由を守るための両氏の努力」をたたえ、「両氏は、民主主義と報道の自由がさらなる逆境に直面する世界で、理想のために立ち上がるすべてのジャーナリストの代表だ」と述べた。
レッサ氏は2012年、調査報道サイト「ラップラー(Rappler)」を共同設立し、現在も代表を務めている。
レイスアンデルセン委員長は、ラップラーが「ロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)政権による、物議を醸し多数の死者を出した麻薬撲滅作戦に批判的な焦点を当ててきた」と説明した。
一方ムラトフ氏は、年々取材が難しくなる中、数十年にわたってロシア国内で表現の自由を守ってきた。
ムラトフ氏は1993年に独立系紙ノーバヤ・ガゼータ(Novaya Gazeta)を共同創刊した一人で、1995年から編集長を務めてきた。ノーベル賞委員会は、同紙が「権力に対する批判的な姿勢」を貫いていると評した。(c)AFP