米女子サッカーのセクハラ問題、モーガンがリーグの「全方位的失態」批判
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【10月6日 AFP】元監督による性的不正行為が取り沙汰されている米ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)について、女子サッカー米国代表のアレックス・モーガン(Alex Morgan)が5日、一部の指導者によるセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)から、10年以上にわたって選手を守ろうとしなかったリーグを批判した。
この問題は、米ウェブサイトのジ・アスレチック(The Athletic)の先週の記事で明らかになったもので、その中ではノースカロライナ・カレッジ(North Carolina Courage)を率いていたポール・ライリー(Paul Riley)前監督が、2010年から複数のチームとリーグで性的不正行為をはたらいていた疑惑が詳しく報じられている。
現在、同リーグのオーランド・プライド(Orlando Pride)に所属するモーガンはこの日、米NBCテレビの番組「トゥデー・ショー(Today Show)」に出演。番組には以前ライリー氏の下でプレーし、強制わいせつなどの同氏の疑惑を告発した二人の元選手、シネイド・ファレリー(Sinead Farrelly)氏とミレーナ・シム(Meleana "Mana" Shim)氏も登場した。
2012年のロンドン五輪で金メダルを獲得しているモーガンは「ここへ来たのは、マナ(シム)とシネイドを支え、二人の声をこれからもっと届けていくため。それに、リーグが全方位的な失態を犯したこと、マナの件や苦情に対するリーグの対応や、調査がどれだけ間違っていたかも伝えたかった。リーグはマナとシネイド、そして多分、他にも多くの女子選手をないがしろにしてきた」と話した。
「今から振り返れば、自分もできるだけマナのいい友人やチームメートであろうとしたし、苦情を申し立てる手伝いもしたが、当時はハラスメント禁止の方針も、リーグの人事部も、匿名のホットラインもなく、報告のしようがなかった」
「今、そういうものが導入され始めているのも選手から要望があったからで、リーグが前もって行動したからではない。私たちがリーグに求めたいのは、起こってから何とかするのではなく、事前に対策すること。私たちは透明性を求めている」
シムはライリー氏にキャリアをめちゃくちゃにされたと話し、「あの男は人を食いものにする。私にセクハラをし、シネイドに強制わいせつをし、私たちからキャリアを奪った」と訴えた。
「私は最初から、ポールだけでなく、所属するチームに支配されていた。一番重要な性的な事柄を含め、チームにはいくつもの件で黙らされた。もちろん、いつもとにかく落ち着かなかった」
「仕事へ行っても、練習しても、試合でプレーしても、いつも自信が持てず、おびえていた。乗り越えられたのはチームメートがいたからだった」