【10月5日 AFP】フィリピンの故フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)元大統領の息子、フェルディナンド・マルコス・ジュニア(Ferdinand Marcos Jr)氏(64)は5日、来年5月に実施される大統領選への出馬を表明した。物議を醸してきたマルコス一族は、政界への復帰を望んでいる。

「ボンボン(Bongbong)」の愛称で知られるマルコス・ジュニア氏は、フェイスブック(Facebook)のライブ配信で出馬を宣言。すでに複数の候補が出馬を表明しているロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)現大統領の後継者争いに新たに加わった格好だ。

 マルコス・ジュニア氏は、ドゥテルテ大統領が推進してきた「麻薬戦争」と呼ばれる強権的な麻薬犯罪対策や、密売人の死刑などの政策を支持してきた。

 比世論調査機関パルス・アジア・リサーチ(Pulse Asia Research)が実施した次期大統領をめぐる世論調査によると、マルコス・ジュニア氏はドゥテルテ大統領の娘サラ(Sara Duterte)氏に次いで2位という支持率が示された。ただし、サラ氏は出馬を否定している。

 大統領選には、ボクシング界の国民的英雄、マニー・パッキャオ(Manny Pacquiao)氏や、元俳優で現在は首都マニラ市長のフランシスコ・ドマゴソ(Francisco Domagoso)氏も出馬を表明している。

 今回大統領選に挑むマルコス・ジュニア氏は、2016年の副大統領選にも立候補したものの、勝利を逃した。1986年の故マルコス元大統領失脚を受け、米国に亡命したマルコス家にとって、同選挙での敗北は痛手となった。

 故マルコス氏と妻のイメルダ(Imelda Marcos)氏は、大統領在任中の大規模な汚職で非難を受けていた。(c)AFP