【10月5日 AFP】中東のオマーン当局は4日、強力なサイクロンにより広い範囲で洪水と土砂災害が発生し、少なくとも11人が死亡したと発表した。

 災害救助当局は、バーティナ(Batinah)地方で7人が死亡したと報告したが、詳細は明らかにしなかった。行方不明者も多くいるという。

 3日に亡くなった4人のうち、子ども1人が洪水で流され、アジア系男性2人が土砂災害により死亡した。

 サイクロン「シャヒーン(Shaheen)」は3日夜に首都マスカット北部に上陸した後、熱帯暴風雨から熱帯低気圧へと勢力を弱めた。

 オマーン空軍は4日、ヘリコプターを使って北部沿岸で孤立した人を救出した。警察によると、スワイク(Suwayq)では受刑者1人が屋上から救出された。

 広い範囲で倒木や冠水の被害が出ているが、マスカットでの生活はほぼ正常に戻っている。民間航空局はシャヒーンの「直接的な影響」はなくなったと語った。

 マスカット在住のムハンマド・アラウィ(Mohammad al-Alawi)さんは、オマーンは「これまでサイクロンで影響を受けることはなかった。シャヒーンは特にバーティナ地方に直接影響を与えた」とAFPに語った。

 オマーン湾(Gulf of Oman)を挟んだイランでは3日、6人の死亡が報じられたほか、オマーンと国境を接するアラブ首長国連邦(UAE)でも警戒態勢が敷かれた。(c)AFP