【10月14日 AFP】ウガンダの環境活動家バネッサ・ナカテ(Vanessa Nakate)さん(24)は、「石炭は食べられない」というスローガンを掲げ、気候変動の影響を受ける弱者のための施策を訴えている。シンプルだが伝わりやすい言葉で、発展途上国の人々の要求を広めるのが狙いだ。

 このスローガンは、飽くことなく続くかに見える、政府や企業の化石燃料への投資活動に向けられている。科学界では、気候災害を食い止めるためには、化石燃料依存からの脱却が必要だとされている。

 ナカテさんは、若者による気候サミットのために訪れたイタリアのミラノ(Milan)でAFPの取材に応じ、「やりたいことは、たくさんありますが、まずは化石燃料の開発投資をやめさせないと。石炭は食べられないし、石油は飲めないし、ガスは吸えないからです」と語った。

 ナカテさんにとって、気候変動は本質的には不平等と不公正の問題だ。

 地球温暖化を引き起こす二酸化炭素(CO2)の大半は、一握りの裕福国が排出している。

 一方、発展途上国、とりわけアフリカや東南アジアのぜい弱な地域は、地球温暖化により激しさが増している異常な洪水や干ばつ、暴風雨などに見舞われている。

「排出ガス増加の責任が最も小さい人や社会が、この瞬間に、最悪の気候危機に直面しているのです」とナカテさんは指摘する。