【10月16日 AFP】半世紀にわたってファッション界のトップに君臨した仏デザイナー、ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)氏(69)は、昨年1月に引退を発表して世間を驚かせたが、今また新たな地平を切り開いている。

 今月6日、ゴルチエ氏が企画し、女性の力をテーマにした展覧会「シネモード(Cinemode)」が仏パリの映画博物館「シネマテーク・フランセーズ(Cinematheque Francaise)」で開幕した。衣装や写真、映画の一場面が展示されている。

「私は常にフェミニストです」。仏モード界の「アンファン・テリブル(恐るべき子ども)」と呼ばれたゴルチエ氏は、メディア向けの内覧会でAFPに語った。「映画やファッションにおける男女の進化を示したいと思いました。男性はより女性的になり、女性はますます多くの力と自由を手にしています」

 ゴルチエ氏自身、映画とファッションの世界にまたがって活躍してきた。スペインの映画監督ペドロ・アルモドバル(Pedro Almodovar)氏の作品や、1990年代の大ヒットSF映画『フィフス・エレメント(The Fifth Element)』の衣装デザインなどが有名だ。

 特に思い入れが強いのは1950~60年代を代表する存在、ブリジット・バルドー(Brigitte Bardot)やマリリン・モンロー(Marilyn Monroe)だという。「同時代に活躍したブリジット・バルドーは、極めてモダンで自由奔放。対するマリリンは、女性像として卓越していました」