【10月5日 AFP】米富豪ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏の宇宙開発企業ブルー・オリジン(Blue Origin)は4日、同社が今月12日に打ち上げる宇宙船に、1960年代の米人気SFドラマ「スター・トレック/宇宙大作戦(Star Trek)」でジェームズ・T・カーク(James T. Kirk)船長を演じたカナダ人俳優ウィリアム・シャトナー(William Shatner)さん(90)が搭乗すると発表した。史上最高齢で宇宙に行く人物となる。

 元祖「スター・トレック」シリーズは1966年から3シーズンしか放送されなかったが、大衆文化に大きな影響を与え、10本以上の映画や複数の関連ドラマを生み出した。シャトナーさんは「宇宙については、かなり前から話に聞いていた。それを自分の目で確かめる機会を得られるとは、なんという奇跡だ」とのコメントを寄せている。

 フライトは約10分間で、宇宙船は地球の大気圏と宇宙空間との境界線とされる高度100キロメートルの「カーマンライン」をわずかに越えたところまで到達する。成功すれば、シャトナーさんはスター・トレック俳優陣の中で初めて宇宙を旅することになる。

 ただしそれは、「存命中」の出演者に限った場合の話だ。2008年に国際宇宙ステーション(ISS)を訪れたある宇宙旅行者は、スター・トレックでモンゴメリー・スコット(Montgomery Scott)機関長を演じた故ジェームズ・ドゥーアン(James Doohan)さんの息子が考案した計画に基づき、ドゥーアンさんの遺灰をひそかにISSに持ち込み、床の下に隠したことを明らかにしている。(c)AFP