■サンゴを海に戻す

 プロジェクトの第1段階は、健康なサンゴの隔離だ。救出された2000近いサンゴの群体(コロニー)は現在、米国の14州にある20か所以上の施設で育っている。

 サンゴを海に戻すのが第2段階だが、サンゴは繁殖が非常に遅いため、実施するまでにはかなり時間がかかりそうだ。

 研究所では救出したサンゴの遺伝的性質を調べている。病気や海水温の上昇、汚染などに抵抗力のある新種を開発するためだ。試みの成否は、この海域に重大な影響をもたらし得る。

 イシサンゴはサンゴ礁として、海洋生物の4分の1の生息地になっている。また外洋と陸地の間で波を和らげてもいる。ハリケーンや暴風雨の際にはとりわけそうだ。

 サンゴ礁が損なわれると、フロリダの観光収入にも響きかねない。ある試算によると、魚釣りやダイビング目的の訪問者を魅了するサンゴ礁は85億ドル(約9600億円)の資産価値があるという。

 キーズ諸島最北端の島キーラーゴ(Key Largo)に住むスティーブ・キャンベル(Steve Campbell)さん(59)は、今後の成り行きを心配している。小型観光ボートの船長をしているが、商売はすでにサンゴの病気による影響を被っている。

 キャンベルさんは港に立ち、「フロリダキーズでこれまで20年暮らしてきて、海には毎日出ています」と語った。「見ての通り、この海で生計を立てています。観光客をサンゴ礁に連れて行き、見て楽しんでもらうのです…だから、これは私たちにとっては一大事なのです」 (c)AFP/Gerard MARTINEZ