【10月3日 AFP】全米で2日、人工妊娠中絶禁止の動きに抗議するデモが行われ、ピンク色の帽子やTシャツを着用するなどした大勢の女性が「私の体に触らないで」と声を上げた。

 首都ワシントンでは青空の下、約1万人がホワイトハウス(White House)近くの広場から連邦最高裁判所まで行進。参加者の中には、女性の権利向上の象徴的存在で昨年死去したルース・ベイダー・ギンズバーグ(Ruth Bader Ginsburg)元最高裁判事に扮(ふん)した男女の姿も見られた。

 先月1日にテキサス州で人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁止する法律が施行されたことを受けて、長く米国を二分してきた人工妊娠中絶をめぐる論争は一段と激化し、裁判所や連邦議会では反動の動きが相次いでいる。一方、一般市民による抗議デモはほとんど行われていなかった。

 主催者側の発表によると、4日に最高裁の新たな開廷期間が始まるのを前に、全米50州の600都市以上で数十万人がデモに参加した。

 ワシントンでデモに参加したフロリダ州出身の元教師(66)は、「女性は人間だ。私たちは完全な人間であって、そのように扱われなければならない」と述べた。「自分の体をどうしたいのか、私たちは自分で選択できるはずだ。それだけです」(c)AFP/Maria DANILOVA