【10月2日 CNS】中国・吉林市(Jilin)新北(Xinbei)水務有限会社が先月26日、微信(ウィーチャット、WeChat)の公式アカウントに発表した公告が話題を呼んでいる。

 公告は「国家電網の要求に基づき、東北電管局(電気事業管理局)と吉林省エネルギー局の秩序ある電力使用の精神にのっとり、不定期、不定時、無計画、無通知の停電と電力制限を実施する。この状況は2022年3月まで続き、停電と断水が常態化する」としている。

 しかし、吉林市新北水務有限会社は27日、再び公告を出し、上記公告は表現が不適切で、内容が正確でなく、関連ユーザーと公衆に誤解をもたらしていると表明した。

 東北地域に限らず、広東省(Guangdong)エネルギー局と広東電網有限責任公司(China Southern Grid)は26日、共同で『全省の電力使用者への秩序ある電力使用、節電提案書』を発表した。

 広東省全級の党・政府機関、公的機関のオフィスビルの3階以下のエレベーターの使用停止を提案する。全省の工業、商業企業が積極的に節電に参与することを提案し、秩序ある電気使用の実施協力を支持する。また、多くの市民が適度な節約、グリーン低炭素の家庭ライフスタイルをとるよう奨励し、家庭照明はできるだけ自然光を利用し、エアコンの設置温度は26℃を下回らないよう奨励する。

 また記者の不完全な統計によると、数日内にすでに数十社の上場企業が「一時生産停止」または「一時生産制限」の公告を発表した。公告の中で、「電力供給が逼迫(ひっぱく)している」「地域の『能耗双控(エネルギー消費量、消費強度低減政策)』要求に協力する」ことが集中的に言及され、江蘇省(Jiangsu)、浙江省(Zhejiang)、雲南省(Yunnan)、広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)などの地域を取り上げた。

 しかし、東北地域の住民用電力制限とは異なり、これらの省は主に工業用電力制限に集中している。

 これは多くの住民の関心事だ。国家電網の顧客サービス担当者はこのほど、東北地域で非住民を対象に秩序ある電力使用を実施したが、実施後も電力不足状況が続き、現在、全体の送電網の崩壊リスクがあるため、家庭を対象にも電力制限の措置を取ったと説明した。

 吉林省常務委員・常務副省長の呉靖平(Wu Jingping)氏は26日、全省で発電用石炭の供給により暖かく越冬、工業運行確保の調整ビデオ会議で、全国的な石炭不足、石炭価格の高騰、石炭発電コストの高騰に伴い、現在、大部分の省で電力不足が発生していると指摘した。

 石炭の供給逼迫(ひっぱく)などの影響で、今年の石炭価格の上昇が続いている。中国電力企業連合会が発表した中国沿海発電用石炭仕入価格指数(CECI)によると、9月16日から23日にかけ、燃料炭価格は1トン当たり1086元(約1万8711円)に達し、前年同期比で2倍近く、年初比で56.26%上昇した。

「今年、国際大口商品の値上がり、石炭などの価格の高止まりは、川下商品コストの上昇を招いた」と、厦門大学(Xiamen University)中国エネルギー政策研究院の林伯強(Lin Boqiang)院長も指摘した。

 呉氏は26日の会議で以下のように表明した。蒙東炭鉱との中長期的な石炭供給協定を着実に実行し、輸入石炭の調達を強化し、省内の炭鉱の生産能力を安全に解放するよう組織し、備蓄石炭の十分な基準量を確保し、採暖期に発電用石炭や暖房の供給停止がないようにする。同時に、基本的な民生用電力需要を全力で保障し、電力が制限される状況を最大限回避する。停電や電力制限が確実に必要になる場合、事前に住民に準備をしておくように伝え、企業がピークを避け電力を使うように誘導する。各発電会社は、系統的な地域の長時間集中停電を防止しなければならない。(c)CNS/JCM/AFPBB News