【10月1日 AFP】米女優のスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)さん(36)と娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニー(Walt Disney)は9月30日、映画『ブラック・ウィドウ(Black Widow)』をめぐる訴訟で和解に至ったと発表した。ヨハンソンさんは、ディズニーが同作を劇場とストリーミング配信で同時公開したことで、損失を被ったと訴えていた。

 7月にロサンゼルスの裁判所に提出された訴状によると、ハリウッド(Hollywood)でトップレベルの出演料を取る大スターであるヨハンソンさんは、期待作だった『ブラック・ウィドウ』の出演料に加え、劇場での興行収入に比例する金額を受け取る契約を結んでいた。

 ディズニー傘下のマーベル(Marvel)による同作は昨年劇場公開される予定だったが、新型コロナウイルスの流行により延期が繰り返され、今年7月にようやく劇場とストリーミングサービス「ディズニープラス(Disney+)」で同時公開された。

 だが米国内興行収入は、マーベル作品としては振るわない結果となり、ヨハンソンさんは、契約違反に当たる同時公開により、巨額の損失を被ったと主張していた。

 これに対しディズニー側は、この訴訟には何らメリットがないと反論。「この甚大な、長引く新型コロナウイルスの世界的影響を、無神経に無視している」とヨハンソンさんの主張を一蹴していた。

 しかし30日になって、双方は和解に至ったと発表。ただし、合意内容は公表していない。

 ヨハンソンさんはAFPへの声明で「ディズニーとの意見の相違を解消できてうれしい」と語り、「何年もかけて共に作り上げた作品をとても誇りにしている。制作チームと創造的な仕事ができてとても楽しかった。今後も協力を続けられることを楽しみにしている」と述べた。

 一方、ディズニー・スタジオ・コンテント(Disney Studios Content)のアラン・バーグマン(Alan Bergman)会長も、今回の「双方の合意」を「喜んでいる」とし、同社は「今後予定されている複数のプロジェクト」で「ヨハンソンさんと一緒に仕事ができることを楽しみにしている」と述べた。

 米エンターテインメント情報サイトのデッドライン(Deadline)は複数の情報筋の話として、和解金は「4000万ドル(約44億円)以上」だと報じている。(c)AFP