【10月1日 AFP】スペイン領カナリア諸島(Canary Islands)のラパルマ(La Palma)島で起きた火山噴火で、2日前に海に達した溶岩で覆われた海面の面積が、サッカー場25面分以上に達していることが分かった。現地の研究所が9月30日、明らかにした。

 カナリア諸島火山研究所(Involcan)によると、クンブレビエハ(Cumbre Vieja)火山から流れ出た溶岩で埋まった海の面積は、同日朝から2倍に拡大し、20ヘクタールになった。

 溶岩が海に達することで懸念されていた爆発や有毒ガスの被害はなかったが、カナリア諸島の火山非常事態委員会「ペボルカ(PEVOLCA)」は、風向きの予報が変わったことから、新たな危険が生じる可能性があると警告している。ペボルカのルベン・フェルナンデス(Ruben Fernandez)委員長は、翌日以降の天気予報に基づくと、これまでガスを沖合に追いやっていた風の向きが変わり、「硫黄臭」が強まる可能性があると説明した。

 ラパルマ島では、激しい火山の噴火が9月19日に始まって以来、約6000人が避難を余儀なくされ、850棟以上の家屋や事業所、広範囲のバナナ農園が溶岩流にのみ込まれた。溶岩は海岸に向かってゆっくりと流れ、28日夜に大西洋に到達。現在も海に流れ込み、溶岩デルタ(三角州)が拡大を続けている。(c)AFP