【10月1日 AFP】北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は9月30日、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-un)朝鮮労働党総書記の妹で側近の金与正(キム・ヨジョン、Kim Yo-jong)氏が、同国の最高政策決定機関である国務委員会の委員に選出されたと伝えた。

 最高人民会議(国会に相当)が一連の人事を承認する中、与正氏は国務委員に昇格。同氏がこれまで務めてきた中で最高位のポストとなる。

 一方、同委員会では、朴奉珠(パク・ポンジュ、Pak Pong Ju)副委員長、崔善姫(チェ・ソンヒ、Choe Son Hui)委員を含む9人が解任となった。外交官の崔氏は、北朝鮮では珍しい女性高官として、米国との交渉で中心的な役割を果たした。

 朝鮮労働党の機関紙、労働新聞(Rodong Sinmun)は30日、新任者8人の顔写真を掲載。中でも与正氏は、その若さと、唯一の女性であることで際立っていた。

 正恩氏と共にスイスに留学した与正氏は、米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領や韓国の文在寅(ムン・ジェイン、Moon Jae-in)大統領との首脳会談などで正恩氏に同行する様子がたびたび見られている。

 与正氏の具体的な政治的役割については、以前から臆測が飛び交っている。正恩氏の後継者となる可能性も取り沙汰されており、実現した場合、保守的な北朝鮮で初の女性指導者誕生となる。(c)AFP