■「天からの贈り物」

 だが、宅配ロボットの数が増えるにつれ、人間の仕事が奪われることを恐れた労働組合から批判が上がるようになった。

 米国では、宅配に対する制限と道路通行に関する規則を議論している自治体もある。

 英国では「幸い、これまでに事故は発生していません」とカーティス氏。スターシップの英法人は地元当局から、宅配できる地区について了承を得ていると述べた。

 ラズベリーやヨーグルトを配達中の先ほどのロボットは走行を続けていたが、路面の穴の手前で止まった。道路工事中なのだ。

 驚いた様子の作業員が穴の上に板を渡してくれた。

 こうして、ロボットは配達先のシーラ・ローズ(Sheila Rose)さん(71)宅に到着。家から出てきたローズさんは、スマートフォンを操作して鍵を開け、食料品と花を受け取った。「私にできるのだから、誰にでも使えますよ」

 自分で買い出しに行くのが難しいローズさんは、宅配ロボットは「天からの贈り物」のようだと語る。毎日利用する週もあり、ひ孫たちもロボットが大好きだという。(c)AFP/Olivier DEVOS