■スターシップ軍団

 ミルトンキーンズの小売店の前にロボットが10台ほど待機していた。

 店から出てきた従業員が、注文を受けたばかりの商品をロボットの中に入れる。ラズベリーにヨーグルト、ちょっとした切り花が入った小さな袋だ。

 ふたを閉めて鍵をかけるやいなや、ロボットは路上に出る。向きを変え、道路を横断しようと前進する。ふと止まると後退し、自動車が通り過ぎるのを待った。

 本体にはカメラとセンサーが付いていて、必要に応じて大きな警告音も出る。ビデオ通話サービス「スカイプ(Skype)」の共同創業者2人が2014年に開発したこのロボットは、99%の自律走行が可能だ。

 速度は歩行者をやや上回る時速6キロまで出すことができ、注文から1時間以内に配達を完了する。

 生活協同組合のコープグループ(Co-op Group)によると、宅配ロボットを利用すれば、便利なだけでなく環境にも優しい。ロボット宅配の利用客の70%は、自家用車で買い物に行ったり、ガソリン車に配達してもらったりすることがなくなったという。

 スターシップのロボットは現在、主に英国と米国、そしてエストニア、ドイツ、デンマークで、1000台ほどが活躍している。