「非致死性」の模造銃で治安悪化のコロンビア 内戦終了でも無法状態
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■「唯一の手は禁止令」
昨年8月、ルイス・ロドリゲス(Luis Rodriguez)さん(35)はボゴタ郊外で、模造銃を持った暴漢に襲われ、片方の目を失明した。
夜10時ごろ帰宅中、バイクに乗った2人組に模造銃で撃たれ、「衝撃で角膜がずたずたになった」とAFPに語った。
2016年に政府と左翼ゲリラ組織が和平協定を結び、60年近くに及んだ内戦は表向き終結したが、協定を拒否した反政府ゲリラと麻薬密売組織との縄張り争いが続いており、民間人がたびたび巻き添えになっている。
犯罪の多発に対処する一環として、政府は法案を策定し、模造銃の所持・携帯を許可制にすることを目指しているとみられる。銃の公式登録や販売条件の厳格化も検討しているとされる。
しかし、それだけではすでに出回っている大量の模造銃を取り締まれず、かえって闇市場での取引が加速する可能性があると専門家は指摘する。
「遅きに失した」とカリーヨ氏は政府の取り組みを批判し、「今や唯一の手は禁止令だけだ」と話した。(c)AFP/Herve Bar