【9月30日 AFP】「これがアフガニスタンだ!」──同国の首都カブール西部にある遊園地で、古びた海賊船のアトラクションに乗ったイスラム主義組織タリバン(Taliban)の戦闘員はこう叫び、武装した仲間と一緒に笑い声を響かせた。

 AK47M4といった自動小銃を携えた一行は、前後に揺れる海賊船に乗り、カラフルな鉄製のベンチにしがみついた。スカーフや頭に巻いた布が風になびいていた。ロケットランチャーを抱えていた戦闘員もいたが、それは乗り物に持ち込まない方がいいとの結論になった。

 最年少が18歳、最年長が52歳の一行は、都心から離れたカルガ(Qarghah)貯水湖のほとりの小さな遊園地でくつろいでいた。普段なら、家族連れや子どもたちが観覧車やメリーゴーラウンドを楽しむ場所だ。

 1か月余り前に制圧したカブールでタリバンの戦闘員たちが娯楽に興じるのは、ふに落ちない光景だ。タリバンの復権を受け、アフガニスタンの人々は1990年代の残虐な強権支配が復活することを恐れてきた。当時は音楽や写真、テレビに加え、たこ揚げなどの子どもの遊びさえ禁じられた。新政権は、より穏健な統治を約束しているが、学校やスポーツ競技から女性を排除するなど、国民の自由は既に制限されている。

 国内各地からカブールに集結した戦闘員は、遊園地に行ったことがなかったという。一行は3分間のアトラクションが終わると手をたたき、満面の笑みで談笑。外に置かれていたロケットランチャーは、持ち主の元に戻った。(c)AFP/James EDGAR