【9月29日 AFP】世界保健機関(WHO)の職員が、コンゴ民主共和国で性的虐待に及んでいたとされる問題で、WHOのテドロス・アダノム・ゲブレイェスス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長は28日、独立調査により「明らかな構造的欠陥」と「個人の過失」があったとの結論が出たことを受け、被害者に謝罪した。

 虐待に及んだのは、2018~20年のエボラ出血熱流行に対応するため現地で採用された職員と、各国から派遣された職員。今年5月には、WHO上層部がこの疑惑を把握しながらも行動を起こさなかったと報じられ、日米英など53か国が共同でWHOに対し、性的虐待の予防について「強力で模範的なリーダーシップ」を発揮するよう要求していた。

 独立調査委員会は同日、女性数十人に対する聞き取り調査の結果をまとめた35ページの報告書を発表。調査の結果、女性50人以上が、WHOなどの国連(UN)機関や主要NGOの職員から、仕事を与える見返りとして性交渉を強要されたり、性行為を拒否すると契約を解除されたりしたと訴えていることが分かった。

 独立調査委員会は、「職業上の不正行為に相当する可能性のある個人の過失」があったと認定。「性的搾取や虐待のリスクを管理する上で、明らかな構造的欠陥と準備不足」があったと結論した。

 テドロス氏は記者会見で、「犠牲者や被害者にまず謝罪したい」と表明。「私の最大の優先事項は、加害者が許されることなく、責任を追及されるようにすることだ」と述べた。(c)AFP/Christophe VOGT