英国で深刻なガソリン不足 パニック買い原因と政府
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【9月28日 AFP】英国はここ数日、深刻なガソリン不足に見舞われている。各地のガソリンスタンドでは27日、燃料を必死に求める人々が車で列をつくり、いら立ちを募らせた。政府に対しては、医療などの必要不可欠な分野で働く人々が優先的に給油できるようにする緊急措置を求める声が上がっている。
政府は、今回のガソリン不足の背景には、燃料を運ぶタンクローリー運転手の不足と、異例の需要があるとしている。英石油小売業協会(Petrol Retailers Association)は、26日には全国の給油ポンプ8000台のうち半数近くでガソリンが底をついたとし、原因は「パニック買い以外の何ものでもない」と説明した。
英国は欧州連合(EU)離脱(ブレグジット、Brexit)後に入国管理を厳格化していたが、先週末にはその方針を転換。運転手不足を補うため、外国人トラック運転手を対象にビザ(査証)の短期免除措置を講じた。
英・オランダのロイヤル・ダッチ・シェル(Royal Dutch Shell)や英BP、米エクソンモービル(Exxon Mobil)をはじめとする石油企業は共同発表で、「英国の製油所には十分な燃料がある」とし、需要は数日中に正常化し問題は緩和されるとの見通しを表明。消費者に平常通りの購買行動を呼び掛けた。
しかし、ガソリンスタンドには一晩中長蛇の列ができ、人々の不満を呼ぶとともに、経済全体に影響が及ぶのではないかとの懸念も広がっている。英公共部門で最大の労働組合であるユニゾン(Unison)は、医師や看護師、教師、警察官といった必要不可欠な労働者が列をつくることなく優先的に給油できるようにすべきだと訴えている。(c)AFP