【9月27日 AFP】欧州の小国家サンマリノで26日、人工妊娠中絶の合法化の是非を問う住民投票が行われ、妊娠12週まで中絶を認める動議への賛成が77.3%に上った。カトリック教徒が多数を占める同国が、大半の欧州諸国と足並みをそろえることになる歴史的な結果だ。

 12週を過ぎて中絶が認められるのは、母体の命に危険がある場合と、胎児の先天異常により母親に精神的・身体的な被害が及ぶ場合に限られる。

 イタリア中部の山岳地に位置する共和制国家のサンマリノは欧州でも数少ない、中絶を全面的に禁止してきた国の一つ。他にはマルタ、アンドラ、バチカン市国が禁じている。

 伝統的にカトリック教徒が多いアイルランドでも、住民投票を経て、2018年に中絶が合法化された。

 サンマリノの現行法下では、人工中絶手術を受けた女性は3年以下、処置を行った医師は6年以下の禁錮刑に処される。

 しかし、中絶を選択するサンマリノの女性は、40年以上前から中絶が合法化されている隣国イタリアで手術を受けるため、これまで有罪判決を受けた人はいない。(c)AFP/Brigitte HAGEMANN