【9月27日 AFP】セルビア政府は26日、隣国コソボが国境に警察特殊部隊を展開したのは「挑発行為」だと非難し、軍の警戒レベルを引き上げた。両国は、国境での車両ナンバープレートの扱いをめぐって対立を深めている。

 かつてセルビア南部の自治州だったコソボは2008年に独立を宣言したが、セルビアは現在も承認しておらず、コソボとの国境を「管理上」の境界線だとする立場を取っている。

 アルバニア系のコソボ政府は20日、これまで自由な乗り入れを認めていたセルビアのナンバープレートを付けた車に対し、コソボで交付された仮ナンバープレートに付け替えなければ入国を認めないと決定。セルビア系住民が多く住む北部国境地域に警察の特殊部隊を派遣した。

 これに対し、セルビア系住民は国境検問所2か所に通じる道路をトラックで封鎖し、数百人規模の抗議デモを連日行っている。

 コソボ政府は今回の決定について、セルビア当局がコソボのナンバープレートを付けた車の国境通過を認めず、セルビア交付の仮ナンバープレートへの付け替えを要求していることへの「相互主義に基づく措置」だと主張している。

 一方、セルビア政府はナンバープレートに関するコソボの決定を、主権国家としての地位を主張するものと受け止めている。

 セルビア国防省は、「(コソボの警察特殊)部隊による挑発行為」を受けて「アレクサンダル・ブチッチ(Aleksandar Vucic)大統領がセルビア軍部隊と警察部隊に警戒レベルの引き上げを命じた」と発表した。

 現地のAFP特派員は25、26両日、セルビア軍戦闘機が数回にわたり国境地帯上空を飛行するのを確認したとしている。(c)AFP