【9月25日 AFP】米国のメキシコ国境地帯で、国境警備隊が貧しいハイチ移民を馬に乗って制止する暴力的な場面が撮影されたことを受け、ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は24日、国境警備隊の行動を「言語道断」と非難し、関係者は「代償を払う」ことになると明言した。

 バイデン氏はホワイトハウス(White House)での記者会見で、この問題に初めて言及。「ひどいものだった」と述べ、「言語道断だ。あの人たちは代償を払うことになると約束する」と表明した。

 バイデン氏は今年1月に就任した際、共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領による国境管理政策は非人道的であるとして、撤回を約束。だが就任から8か月がたち、メキシコ国境では大量の移民が不法入国し拘束される事態となっており、バイデン氏は苦境に立たされている。不法入国者の数は8月、20万人に上った。

 与党・民主党内からは、バイデン氏が厳しい国外退去規則の保持を決めたことで公約に違反したとの批判が上がっている。一方でホワイトハウスは、バイデン氏の決定は新型コロナウイルス対策に基づく必要なものだと説明している。

 共和党とFOXニュース(Fox News)は連日にわたりバイデン氏批判を展開。国境地帯は制御不能な状況にあり、政府は米国の治安維持を放棄していると非難している。

 今月には、国境地帯で撮影された写真がきっかけで、この問題に大きな注目が集まった。写真には、厳しい旅路を経て徒歩でメキシコから越境するハイチ移民の行く手を、国境警備隊の騎馬隊員が阻む様子が写されていた。(c)AFP