【9月1日 AFP】ベスタ・ゲリエ(Vesta Guerrier)さん(48)は、8月14日にハイチで発生した大地震を生き延びたが、自宅は倒壊し、仮設キャンプで暮らしている。レイプされるかもしれないという不安を常に抱えながら。

 ゲリエさんはAFPに「私たちは安全ではない」と訴える。ハイチ女性の多くは、頻発する災害のたびに性暴力が横行してきたことを知っている。

 ゲリエさんが暮らす首都ポルトープランス南西部に位置するレカイ(Les Cayes)は、地震で大きな被害を受けた。ゲリエさんは現在、レカイのスポーツセンター内の棒とプラスチック製のシートで作られた頼りないシェルターに、夫と3人の子どもと暮らしている。

「何が起こってもおかしくない」とゲリエさんは言う。「特に夜には、誰でもこのシェルターに入って来られる」

 8月14日に発生したマグニチュード(M)7.2の地震により、2200人以上が死亡し、住宅数万棟が倒壊した。20万人以上が死亡した2010年の大地震から復興する途上だった。

 2010年の地震の際も約200人が、ゲリエさんと同じくほとんどプライバシーがない状態の避難キャンプに暮らしていた。

 2010年の大地震では、その後何年も仮設シェルターで暮らす人もいた。過密状態のキャンプは明かりが乏しく、夜になると武装集団や若者のギャングがうろつき、被災者を襲った。

 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)の2011年のまとめによると、地震発生後の約5か月で250件以上のレイプ被害が報告された。支援団体の多くは、これは実際の発生数のごく一部にすぎないと考えている。

 ゲリエさんは襲われるのを心配し、入浴する際には服をすべて脱がず、さらに他の人に見られないように暗くなるまで待つ。

 避難所には実質的に機能しているトイレがない。丸見えなため、ゲリエさんは不安と恥ずかしさを感じている。

 キャンプに避難していた別の女性は「私たちは子どもたちのことを心配している。本当に心配している。家族と暮らせるようにテントが必要だ」と訴えた。

 攻撃の危険があることから、主要な避難所から少し離れた場所に仮設キャンプが設置されている。

 ミルフォート・ルーズベルト(Milfort Roosevelt)牧師(31)は、「最も弱い人々」がここにいると語った。

「私たちは少女を守る。自警団が夜通し、若い男が女性に暴力を振るっていないか確認する」 (c)AFP/Amelie BARON