【9月25日 CGTN Japanese】中国科学院は23日に行った記者会見で「長年の研究を経て、人工でんぷん合成の分野で大きな進展を収めた。世界で初めて二酸化炭素を原料とするでんぷんの合成を実現させた」と発表しました。国際的な学術界は、二酸化炭素を原料とする人工でんぷん合成は世界に重大な影響を与える画期的な技術と見なしています。同成果は24日、国際的な学術雑誌「サイエンス」に掲載されました。

 トウモロコシなどの農作物が光合成などででんぷんを合成する際には、60段階以上の生化学反応と生理上の複雑な調整が行われています。中国科学院天津工業バイオ研究所のチームは大連科学バイオ研究所と連携し、長年の研究を通じて光エネルギーから電気エネルギー、化学エネルギーに至るエネルギーの転換を実現させました。二酸化炭素からでんぷんが合成されるまで、わずか11段階の化学反応を経るだけででんぷんが合成されるとのことです。

 中国科学院天津工業バイオ研究所の蔡韜副研究員は、「われわれの研究チームは化学と生物学を連結させてでんぷん合成の触媒作用を得る新たな発想を採用した。現段階において、農作物が数カ月も必要とした合成プロセスを、実験室ではわずか数時間で完了させられる」と説明しました。

 同研究所の馬延和所長は、「まだ実験段階であり、今後はより多くの科学上の挑戦が必要だ。しかし工業生産が実現したあかつきにこの技術は、食糧安全の確保や二酸化炭素の利用、さらにはわれわれが目標とする炭素排出ピークアウトやカーボンニュートラルの実現にとって、極めて重要な支えとなる」と述べました。 (c)CGTN Japanese/AFPBB News