【9月23日 AFP】英イングランド北部で1975~80年に女性13人を殺害して「ヨークシャーの切り裂き魔(Yorkshire Ripper)」と呼ばれ、昨年11月に死亡したピーター・サトクリフ(Peter Sutcliffe)受刑者(当時74)について、英検視官裁判所は22日、刑務所内の隔離規定を無視して新型コロナウイルスに感染したことが死因だったと結論付けた。

 イングランド北東部ダラム(Durham)で開かれた検視審問では、サトクリフ受刑者の死因は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で、心臓病や糖尿病が関連しているとの検視結果が示された。

 刑務所長によると、重症化リスクのある受刑者にはCOVID-19の危険性について警告し、食事の際には他の受刑者から離れて座るなどの感染予防策が提示されていた。

 市民を恐怖に陥れた「ヨークシャーの切り裂き魔」事件は、今も人々の記憶に強く残っている。

 トラック運転手だったサトクリフ受刑者は、何度も警察の事情聴取を受けながら逮捕を免れていた。盗難ナンバープレートを車に付けていたとして逮捕された後、1981年に一連の犯行を自供した。

 同年、13件の殺人と7件の殺人未遂で有罪判決を受け、12回の終身刑を言い渡された。英国の終身刑は一般的に服役から15年以内に仮釈放が認められるが、サトクリフ受刑者には少なくとも30年の最低服役期間が設定され、2010年には高等法院が決して釈放されてはならないとの判断を下していた。(c)AFP