【7月17日 AFP】米ロサンゼルス郡上級裁判所(Los Angeles Superior Court)は16日、2000年代前半に女性2人を殺害して「ハリウッドの切り裂き魔(Hollywood Ripper)」と呼ばれたマイケル・ガルジューロ(Michael Gargiulo)被告(45)に死刑を言い渡した。

 ガルジューロ被告は、2019年に第1級殺人罪2件と殺人未遂罪1件で有罪判決を受けていた。

 1人目の被害者アシュリー・エレリン(Ashley Ellerin)さん(当時22)は2001年2月、ハリウッドの自宅で多数の刺し傷を負って亡くなっている状態で発見された。俳優アシュトン・カッチャー(Ashton Kutcher)さんは、事件の夜にエレリンさんとデートの約束をしていたと裁判で証言している。

 2人目の被害者は、ガルジューロ被告の近所に住んでいた4児の母親マリア・ブルーノ(Maria Bruno)さん(当時32)。2005年12月、自宅で就寝中に襲われ、殺害された。

 ガルジューロ被告は、2008年にロサンゼルス近郊サンタモニカ(Santa Monica)の自宅にいた女性を襲って逮捕された。この女性は命拾いし、証言台に立った。

 ガルジューロ被告は、16日の判決公判でも改めて無罪を主張した。

 しかし、ロサンゼルス郡上級裁判所のラリー・ポール・フィドラー(Larry Paul Fidler)判事は判決を言い渡す際、「ガルジューロ被告は訪れる先々に死と破壊をもたらした」と述べた。

 検察側は、近くに住む女性をターゲットに、絶好のタイミングが訪れるのを待って夜間に女性たちの自宅内やその周辺で「完全に計画的な殺人」を行ったと指摘した。

 ガルジューロ被告は、イリノイ州でも1993年の襲撃事件に関して殺人罪で訴追されている。

 しかし、カリフォルニア州では、民主党のギャビン・ニューサム(Gavin Newsom)知事が2019年に死刑執行のモラトリアム(一時停止)を導入する文書に署名しており、少なくとも当面は死刑を執行されることはない。(c)AFP